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2021年1月8日

父親の加齢が子どもの発達障害の発症に影響:マウス加齢モデルで精子DNA低メチル化を同定

精神遅滞や自閉スペクトラム症等、子どもの神経発達障害は増加の一途をたどっており、少子高齢化が進行する社会で大きな問題となっています。疫学的調査より、子どもの発達障害が生じるリスクには、母親よりも父親の年齢の方が大きく関与することが知られていましたが、そのメカニズムは不明でした。東北大学大学院医学系研究科・発生発達神経科学分野の大隅典子教授らを中心とする研究グループは、父親の加齢に伴う子どもの神経発達障害発症の分子病態基盤として、神経分化を制御するタンパク質であるREST/NRSFが関与し、加齢した父親の精子の非遺伝的要因が子どもに影響することを発見しました。本研究は、父親の加齢による次世代個体の神経発生への影響を遺伝子レベルで解明した初めての報告です。本研究により、神経発達障害の新たな分子病態基盤の解明に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2021年1月5日正午(現地時間、日本時間1月5日午後8時)EMBO Reports誌(電子版)に掲載されました。

東北大学プレスリリース:

欧州分子生物学機構(EMBO)プレスリリース:

論文: