活動

2017年6月9日

ヒトiPS 細胞由来神経幹細胞の低酸素培養により、短期にアストロサイト分化を誘導
~神経疾患・発達障害の新たな治療法開発に期待~(九州大学と慶應義塾大の共同研究)
本研究成果は、2017年6月6日(火)正午(米国東部夏時間)に、国際学術雑誌『Stem Cell Reports』のオンライン版に掲載されました。

九州大学大学院医学研究院の中島欽一教授と、大学院医学系学府博士課程4年の安井徹郎らの研究グループは、慶應義塾大学医学部の岡野栄之教授らとの共同研究により、ヒトiPS細胞由来神経幹細胞を低酸素培養することで、従来と比較して短期間で、脳を構成し、その機能を支持するグリア細胞の一種であるアストロサイトへの分化を誘導できる方法を明らかにし、そのメカニズムを解明しました。(図1)

さらに、これを自閉症やてんかん、失調性歩行、特有の常同運動(手もみ動作)を特徴とする進行性の神経発達障害、レット症候群の患者由来神経幹細胞に応用することで、レット症候群患者の脳内で見られる表現型が培養系でも短期間で再現できることを世界に先駆けて発見しました。

この成果により、幅広い精神疾患・発達障害の発症原因の解明や、新たな治療薬開発につながることが期待されます。

本研究成果は、2017年6月6日(火)正午(米国東部夏時間)に、国際学術雑誌『Stem Cell Reports』のオンライン版に掲載されました。

(図1)

(図1)ヒトiPS 細胞由来神経幹細胞がアストロサイトへの分化能を獲得する仕組み