活動

2018年3月29日

第11回神経発生討論会 開催報告

国立精神・神経医療研究センター
神経研究所 病態生化学研究部
東京医科歯科大学大学院 医歯薬総合研究科
博士課程2年 山城邦比古

2018年3月17—18日 未だ冬の名残を感じさせる金沢大学にて、金沢大学医学系脳神経医学教室 河崎洋志先生が世話人となり、第11回神経発生討論会が開催されました。本会は神経発生学に特化した内容の研究会で、2006年に生理学研究所・分子生理部門の池中一裕教授をはじめとする方々が世話人となって発足しました。本会は学生を含む若手の研究者の教育に主眼を置いた研究会です。そのため、口頭発表やポスター発表のほとんどが学生や若手研究者によって行なわれます。また、質疑応答の際は、まず若手の質問を優先し、若手の質問が出尽くした段階で、日本の神経発生生物学を牽引する(心は若手の)シニア研究者が質問するというユニークな形式をとっています。第11回目の今回は、ポスター発表23題と招待講演3題を含む口頭発表14題で構成され、肌寒い初春の金沢にいることを忘れさせるほど熱い議論が行われました。ポスター発表では、時間を忘れてポスターの前に座り込んで議論し、口頭発表では論文投稿間近の完成度高い研究やこれからの発展が見込まれる研究を若く情熱に溢れた研究者が発表し、招待講演では著名な先生方によって普段あまり触れる機会が少ない研究の醍醐味をわかりやすく紹介していただきました。初日の夜には、河崎先生を中心に河崎研究室の皆様に懇親会を開いていただきました。懇親会では、石川県の美味しいとこを全て詰め込んだ食事、素晴らしい地酒、大盛り上がりで終わったイベントによって、活発な交流が行われあっという間に夜が更けて行きました。2日間の神経発生討論会を通じて、様々な研究や研究者の方々と触れ合うことで、各人の研究の方向性を改まって考える良い機会を得ることができたと同時に、今後の研究人生の支えとなるような交流をすることができたのではないかと思います。お忙しい中、本会を企画・運営してくださった河崎先生並びに河崎研究室の皆々様方にはこの場を借りて、深く御礼申し上げます。そして新学術領域「個性創発脳」に深く感謝いたします。古き日本の伝統と新しい日本の文化が美しく融合し発展をとげた金沢の街のように、神経発生という分野も長らく研究されてきた「良さ」を生かしながら、新しい知識や技術を融合させていくような学問であることを願います。

討論会の様子1
討論会の様子2
参加者集合写真